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うらまごblog

 

  パトリス・ルコント『列車に乗った男』(2002 仏,独,英,スイス)

こういうことを書くと、また反発くらうのですが、パトリス・ルコントって、どっか村上春樹のようなとこありません? 読んでいて、あるいは観ていて、どこかこそばゆいような。あ、それ言っちゃうの、ゑ、そこまで言ってあげなくても...(^。^;) あ、決してズラウスキーのような見せ過ぎなんかとは話が全くちがいますから。。。
ルコントがというより原作がそうなんですか? ちなみにAmazonで検索してみると、クロード・クロッツの原作本の説明に《フランスのある田舎町。老紳士マネスキエは古い邸宅を守り、街を出ることさえせず、変化のない毎日を送っていた。ある日、町にひとつだけの小さな駅に列車が入ってくる。そして犯罪を繰り返し、街から街を流れるミランはある計画を企てて街に降り立った…。ミランとマネスキエ。ふたりは淋しい町で偶然巡り会う。正反対の人生を送ってきたはずのふたりだったが、なぜか互いの存在に惹かれあっていく。同じ運命が二人を待っていることを知っていたように。ほんの一瞬だけ交差するふたりの人生のレール。そして列車はまた、別の方向へと走り出す…。四日間の静やかな友情を、哀切のなかに描き出した感動作。》
はい、この下線部なんてこそばゆいの極みじゃないですか。それをまた映画は丹念に描写してくれるもんだから、ラストなんか逆にどっ白け(^。^;) あ、すいません。ひねくれもんなんです。もっとスナオに感動したいのですが。いや、確かに感動しますよ。でも、でもなぁ。奇しくも春樹の『海辺のカフカ』も2002年の作品か。あ~ぁ、春樹のファン多いもんなぁ。ルコント・ファンより春樹ファンの反発がこわい。ぅ~ん、どうよ、『海辺のカフカ』ってそんなとこなかったか? 悪意を全面に押し出せとか、露悪的になれとかじゃないんですよ。とにかくね、『列車に乗った男』にしろ、『海辺のカフカ』にしろ、簡単にをっと思わせる言葉やシーンが多すぎる。美味しいんだよ。美味しい、美味しいって、あれもこれも、食って、食わされて、いい加減おなかがいっぱいになったところでラストに300gのビフテキは食えません。せめてエスプレッソにしてくださいよ。あ、すいません、『海辺のカフカ』はラストでビフテキはなかったですよね。
はい、ケチつけてるわけじゃないですよ。なんかケチばっかりつけてると思われそうで困ってます。二人のすれちがうレールの男、ジャン・ロシュフォールも ジョニー・アリディもどっちも渋いですよ。とってつけたようないやらしい演技なんかじゃなくて、二人して渋いまるだしです。そりゃ、ロシュフォールは『髪結いの亭主』ですもの。いかにもフランス映画の典型的な男優です。それに対するアリディも渋い。この二人の渋さがなかったら、とんでもないくさぁ~~い映画になってたでしょ。ところでこのアリディって、「アイドルを探せ」のシルビー・バルタンの元旦那だというの知ってました?
あと音楽がなにげによろし。これも音が前面に出てくるのじゃなくて控えめ。ちょっと『パリ、テキサス』でハリー・スタントンが歩くテキサスの風景を思い出したりしてました。

L' HOMME DU TRAIN (1:30)
監督 パトリス・ルコント
製作 フィリップ・カルカソンヌ
脚本 クロード・クロッツ
撮影 ジャン=マリー・ドルージュ
音楽 パスカル・エステーヴ
出演 ジャン・ロシュフォール / ジョニー・アリディ / ジャン=フランソワ・ステヴナン / チャーリー・ネルソン / パスカル・パルマンティエ / イザベル・プティ=ジャック / エディット・スコブ

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とうとう、うらブログに見つけましたね(^_^;

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