ミヒャエル・ハネケ『隠された記憶』 (2005 仏,墺,伊,独)

また関係ない話からくだくだと始めますが、ミクシなんぞに動画ってのがあるのですが、ほとんどすべてがくだらなくて、少し前にはマイミクの最新動画などとトップページに表示されて非常にうざかった。いまはカスタマイズできるようになっていいんですが、まずミクシにアップされてるような動画なんぞは、百、見ることはないのです。なぜならカメラが動き過ぎ。手持ちでカメラが被写体を追いかけ回すから見るに耐えないのであります。で、それを逆手にとって、静止画を動画で撮ったら悪いかと、カメラは固定して(といっても真剣に撮ってないので、シャッターのオンオフでカメラがぶれる)、15秒ほど何も動かないものを撮る。ん?と思わせておいて、はい、おしまいですが、何か?と...それっておもしろいやんなぁ、人を小バカにしてるようでと、いくつか撮ってアップしてるのです。そう言うほどにはつまらんから見ないでねw
すいません、前置きが長くて。この『隠された記憶』はまさにそれで、はい、おしまい。何か? で ほりだされます。いや、あのラストシーン、あやうく見落とすところでしたよ。いや、完全に見落としました。DVDのおまけの日本語トレーラー見て、あわててラストシーン見直しました(恥)。いや、映画館で観てなくてよかった(苦笑) こういう映画なんて、観に行くとしたら絶対ひとりだから、ふ~ん、ようわからん(^。^;)と思いながら、そのまま気がつかずじまいだったでしょう。いや、気がついたからどうなんだってところが多分にあるのですが、まぁ、このサスペンスの謎解きやってもねぇ...意味ないじゃん、と、これまたDVDのオマケ映像でハネケ自身が言うてることです。
そのラストシーンですが、これがカメラ固定の5分ほどの超長回し。いいねぇ、いいねぇ。だいたいカメラが動きすぎるの。カメラが動かないまでも、ピントが前後に移動させてみたり、コレを見よ!とばかりにおしきせがましいったらありゃしない。そのラストなんかハネケにすりゃしてやったりってところでしょ。
ラストのことを先に書いたけれど、映画の冒頭、これが前置きでくだくだと書いた、そのものなんですよ。うわぁ~、きっちり先にやられてんだ(^。^;) 静止画を動画として撮るっての。最初のシーンで、字が小さくて読みづらいのだが、1文字ずつポッポッと画面を左上から順にクレジットが埋めていく。その字の動きで、映画、つまり動画だと勝手に了解してるんだけれど、実は、オートゥイユとビノシュの住む家を固定されたカメラで撮ったもの。そして1分か、結構長い、時間が経過したところではじめて通行人が右から左に通ることで、はっとするわけです。あ、これは静止画の動画だったんだと。そしてもう一度同じ映像にノイズが入ることで、それが問題の送り付けられてきたビデオの映像だと明される。この始まりの見事なことといったらありゃしない。やれらたぁ~~!というか、きれいにドラマの中に引っ張り込まれました。
これもオマケ映像でハネケ自身がバラしてたことだけど、エレベーターシーンを撮るのに、1日かかったと。どの階で誰が乗り込んできて、どの位置に立つか、それをすべて計算したという。きっと、この冒頭のシーンでも、通行人が通るタイミング、歩く速さ、クルマの通行、それらも計算づくなんでしょ。そういうところに製作費をかけてんですよ。ハデなばかりのセットや、CGやらに金かけるくせに、製作日数がなくてとか、妙なところでケチってんだから、そりゃおもろい映画が撮れるわけない。ちとは見習えよ。
あ、映画のスジですか? どっかほかのサイト、検索してくださいw
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監督 ミヒャエル・ハネケ
製作 ファイト・ハイドゥシュカ
脚本 ミヒャエル・ハネケ
出演者 ジュリエット・ビノシュ / ダニエル・オートゥイユ / モーリス・ベニシュー / アニー・ジラルド★★★★☆
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