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 鈴木いづみ ハートに火をつけて!-だれが消す

鈴木いづみ


左:オリジナルの三一書房版。右:鈴木いづみコレクション1

まだボクがコウコウキョウシなんてものをやっていたころ、職員室でこれを読んでいたら、ボクの生徒が、♪~かもんべいべらいとまぁふぁいや・・・と口ずさんだ。ゑっ、なんで知ってんだぁぁ、と、あっ、そっかそっか、ジミヘンのキーホルダーをカバンにつけてた生徒クンでした。「わっ、これくれ!」と言うたら、「うん、ええよ」とくれた奴だった。
 あの70年を思い返してみて、ええことなのか、どうなんだろか、胸きゅんのきゅん、きゅきゅんのきゅん。あれからもうすでに30年。。。まだ10年と経たなかった日、村上龍が『限りなく透明に近いブルー』を出したときに、すぐさま『限りなく~』読んで、ああ、こういうのはもういいやと感じてしまってから、もう20年経つ。それからでさえも20年経ち、ボク自身にも20年の時間が通り過ぎた。すると、胸きゅんのきゅんになってしまってたまらない。それは
彼にふたたび会える日を、彼にもう一度抱かれるときを、長い長いあいだ、夢にみていた。彼はわたしの「青春」を体現していた。消えていったひとつの時代のシンボルだった。あきらめきれなかった。人生がおそろしい様相を呈してくると、わたしのなかの彼は、その輝きをさらにつよくするのだった。
だからなのか。
 その'70年の初冬、朝まで起きていたボクは急に雪がみたくなった。単純にも北をめざせば少しでも雪に出会えるだろうと、朝6時いくらかの稚内行きに飛び乗った。ボクの乗った稚内行き鈍行は通学列車にもなって、登校中の高校生に囲まれて走った。深川。ふっと向いのホームに留萌経由稚内行きの列車が止まっている。急に海を見たくなって、そちらに乗り換えたのだ。乗り換えた列車は留萌、羽幌と延々と黒い日本海に沿って走り、やがて下校列車になって、今度は下校の高校生が窓を曇らせた。幌延。幌延の駅でふっと向いのホームに、何時間も前に別れた札幌発稚内行きの鈍行があった。旭川、名寄と走ってきた鈍行があった。
生きてみなければわからないことがある。わかってしまったあとでは、もうおそいのだ。だからといって ―― だからこそ人生はすばらしい、というほどの元気もない。
 と、鈴木いづみが、著したころ(1983年)にやっと生まれた子どもは、ボクが読んでいる本を見て、♪~かもんべいべらいとまぁふぁいや・・・

ハートに火をつけて!―もう誰にも消させない

 
2001/06/06 記   08/11/14 一部加筆 
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Author:まご
とうとう、うらブログに見つけましたね(^_^;

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